ピアノドラマとは、ある物語をテーマにした演目を朗読とピアノ音楽により上演する、西山葵耀古オリジナルのコンサートです。
ピアノドラマは、台本の朗読と、一作品中5曲~9曲の物語の各場面に即した、クラシックを中心とするピアノ音楽、ピアノ協奏曲などの編曲で構成されています。
また朗読中には当日の即興によるメロディー、和音が奏でられ物語をさらに奥深いものにしてゆきます。
この形態による初作品は、サマルカンドの伝説に題材を求めた「シルクロードの愛と夢」。
作品数は11作品あり、大別して
- 日本の古典
- 外国の物語
- 私的なエッセイ
の3種類からなっています。(2010年1月現在)
Aにおいては代表作品「洋琴源氏物語絵巻」シリーズで、2003年から継続的に上演。 源氏の公演は80回を超えるものとなりました。
源氏物語においては、当初あらすじを読んでいましたが、2004年「東京の夏音楽祭」カザルスホール公演で自作の書き下ろし台本を使用して以降、そのテキスト朗読も演劇性の強いものと変わってきています。
音楽も即興部分を加え登場人物の心理を鮮やかに描き出すモノ・ドラマ(一人芝居)的要素がより明確になって参りました。
【内容】
時は平安。 数多居並ぶ美女の中から、桐壷の更衣ただ一人との純愛を貫いた帝。
玉のような輝ける美貌の皇子が誕生するも、その母、桐壷の更衣は周囲の妬みを買い、間もなく世を去ってしまいます。 悲しみに沈む帝。 しかし亡き人に生き写しの麗人、藤壷の宮の入内により華やぎを取りもどす宮中。 そして少年光る君もいつしか淡い恋心を抱くように・・・壮大な源氏54帖の幕開けであり扇の要となる帖です。
【曲目・聞きどころ】
西山葵耀古「光る君」、ベートーヴェン「月光」、ショパン「ノクターン第1番」 他
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【内容】
源氏物語前半でもっともドラマティックな場面のひとつ。
五条の町の不可思議な美女、夕顔との命をかけたひと夏の恋。
光源氏は先ごろ恋人とした高貴な六条御息所に少々重たさを感じるころ、偶然立ち寄った軒先で一輪の夕顔の花を請うたことからその家の女主人と恋に落ちます。
お互いに身分を明かさぬままスリリングな恋愛に身をゆだねる二人。 柔らかで無邪気な夕顔にすっかり夢中になる源氏・・・その一方、六条夫人は冷めてゆく恋人の心を恨みつつも源氏への絶ちがたい愛執は日々深く心を苛み、誇りは傷ついてゆきます。 そしてあまりの辛さに愛するものを求めてさまよい出てしまった魂は、いつしか源氏の傍らに眠る夕顔を死に陥れるように。
はじめて心から愛した人を目の前で失った光源氏の嘆きは深く、彼女の死後いっそう強まる恋心は生涯心から消えることはなかったのです。
【曲目・聞きどころ】
ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」、ラヴェル「オンディーヌ」 他
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【内容】
人妻、空蝉との秘めやかな源氏十代の恋。
ある雨の夜、友人たちとの会話から「中流の階級にこそ真に見るべき女性が存在する」という暗示を受けた光る君は、その直後、方違えに部下の邸に立ち寄ることとなります。
そこには、かつて宮仕えを志していた女性(空蝉)が境遇の変化から、今では受領の後妻となって暮らしていました。
源氏は同情と興味をひかれるまま彼女に恋を仕掛け、強引に契りを結んでしまいます。 抗うすべもなく君の意のままになった我が身の宿命に涙する空蝉。
以降、自分の気持ちを抑え、つつましさを保ち続ける彼女にかえって思いを募らせ、今ひとたびの逢瀬を切望する光る君・・・すれ違う二人の想いは?
【曲目・聞きどころ】
サティ「グノシェンヌ」、グリーグ「ピアノ協奏曲」、ショパン「ノクターン第5番」 他
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【内容】
天皇の寵妃、朧月夜との奔放すぎる恋の報いから、寂しい海辺での蟄居を余儀なくされ、恋しい都と紫の上を偲んでは涙する光る君・・・しかし、それは寂しき浦の佳人、明石の君への星の導きによるものだったのです。
妙なる琵琶の響きは潮騒と溶け合って、いつしか明石の姫君と愛し合ううち、源氏に帰京の許しが下ります。
わが子を宿した明石の姫との辛き別れ、涙にむせびつつも爪弾く琴の音に再会を約束する・・・源氏物語中、異色の海辺の物語。
【曲目・聞きどころ】
潮騒の源氏、全ショパンの名曲にのせて贈ります。
マズルカ、ノクターン遺作、幻想曲、幻想ポロネーズ 他
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【内容】
亡き柏木との心の通い合う秋の月の夜。
娘が入内し、女御の父として源氏は多いに栄華を極め、最愛の紫の上と安らかな日々を送る幸福。 しかし兄、朱雀院の懇願を容れ、女三宮の降嫁を受け入れたところから狂いだす運命それぞれ・・・紫の上は正室の座を明け渡すが、病に倒れてしまいます。
そして若い妻のあまりの幼さに失望を隠せない源氏。
一方、女三宮にかねてより思いを寄せていた柏木は、諦めようとするもののふと垣間見た姿に恋心は再燃し、あろうことかついに思いを遂げてしまうのです。
懐妊する女三宮。 事情を察した源氏は喜びようもなく、かつての自らの罪の報いかとおののき、柏木は罪の意識に衰弱しついに絶命、女三宮は出家することになります。
誰にも明かせぬ心のうちをそれぞれに抱えたまま、澄み渡る月の光に源氏は、故人となった柏木の思いを聞くのでした。 遺した笛をわが子である薫に伝えてほしい・・・そして、源氏も心のうちに柏木に答えるのでした。
【曲目・聞きどころ】
「鈴虫」では、笛(フルート)作品を作曲。柏木の切々たる愛惜がききどころ。
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【内容】
建礼門院右京大夫集(けんれいもんいんうきょうのだいぶしゅう)は、平安時代最末期に権勢をふるった平清盛の娘である建礼門院徳子(のりこ)に「右京大夫(うきょうのだいぶ)」という召名で仕えた或る女房が残した「家集(かしゅう・いえのしゅう)」。
鎌倉初期に成立した歌数約360首(他人との贈答を含む)の私家集で、一個人の和歌を集めたもの。
若い平家公達(きんだち)らとの華やかな交流、そのなかで芽生えた平資盛(すけもり)との恋。 思うにまかせない恋の行方に悩み苦しみます。
やがて時代は急速に流転し兵乱の世へ。
平家一門は西国へ都落ち。 そして恋人資盛と今生の別れ。 親しくしていた人々の死、変わり果てた姿。 そしてついに耳にする、恋人が壇ノ浦の波間に消えたとの悲報・・・ひたすら恋人の後世(ごせ)を弔いつつ、泣き暮らす日々。
かつてお仕えした建礼門院を大原へと訪ねますが、往日の栄華からのあまりの変わり様が嘆かれます。再び世も移り再出仕することとなった宮中では昔のことが否応もなく思い出され、身も砕けそうなほどの悲しみがいっそう募ります。
平穏な貴族社会の衰退と武力による権力争いが本格化する中世の幕開け、という歴史上の大転換期の真っ只中にあって、作者は先例のない辛い別れをその身に実際に体験。 過ぎ去った日々の大切な思い出が失われてしまう前にせめて書きとどめておきたい、そして儚はかなくも海の藻屑と消えた恋人を願わくば自分の死後までも弔い続けていたい。 平家物語の種本ともいわれるノンフィクションならではの哀切さが感動を呼ぶ作品。
【曲目・聞きどころ】
ドビュッシー「古代のエピグラフ」モーツァルト、スクリャービンの名曲が情景さらに鮮やかに描き出します。
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【内容】
秋を詠んだ和歌を10首、ドビュッシーやラヴェルの曲にあわせて詠嘆、鑑賞して頂きます。
三夕の歌を中心に据え、秋の夕暮れから美しい月の出を描きます。
【曲目・聞きどころ】
ラヴェル、「マ・メール・ロワ」「水の戯れ」ショパン「舟歌」
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【内容】
シルクロードの愛と夢(サマルカンドの伝説による)、サマルカンドに語り継がれる伝説を書き下ろした台本。
ティムールの王妃、ビビ・ハニムは王の凱旋を祝って記念碑を作らせます。 しかしその指揮をとる若き建築家はあまりの過酷な仕事に音をあげるものの、恋焦がれる王妃の頬にただ一度の口づけを懇望し、それが叶えば命に代えて、と完成を誓います。 何としても完成をあせる王妃はついに・・・
【曲目・聞きどころ】
ショパンの「英雄ポロネーズ」、ラフマニノフの「オリエンタルスケッチ」などの名曲と、シルクロードならではのエキゾチシズム溢れる即興が聴きどころです。
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【内容】
古代ギリシャの大叙事詩「オデュッセイア」からの一部分。
知謀をめぐらせ、トロイア戦争を終結に導いた英雄オデュッセウス。 幾多の苦難を乗り越え懐かしき故郷イタケー島を目指すも、神の罰をその身に受け帰郷を阻まれます。 ある嵐の晩、島に流れ着いた彼は魅惑的な美しき女神カリュプソーに熱愛され、またもや引き止められてしまいます。 海岸で来る日も涙する英雄にオリンポスの神々は同情し、帰郷を許すも、愛する人を失わんとするカリュプソの嘆きはやるかたなく・・・。
【曲目・聞きどころ】
古代ギリシャ語の朗誦で始まるピアノドラマはダイナミックな海の民を思わせます。
古代ギリシャに憧れた作曲家ドビュッシーの名曲が物語に誘います。
西山葵耀古「オリーブの木」、「月の光」「喜びの島」「サラバンド」 他
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【内容】
フランスのブルターニュ地方に伝わる伝説で、ドビュッシーの名曲≪沈める寺≫の題材となったケルト神話。
名君として誉れ高いイースの王グラドロンの娘、美貌の王女ダユーは、自らの奢りと横暴のなすがままにふるまい、王の知らぬ間に都では悪徳がはびこっていました。 それに警告を発した聖者は民を悪から救うべく、王を改心させ教会を建てさせます。 それを嫌ったダユーはふさぎこみ、それなら、と海のそばに自分の都を作って欲しいと父にせがむのでした。 王は娘可愛さからそれを許し、見事な都市が完成します。
しかし依然として悪徳の都であることに変わりはありませんでした。 王女は魔法を駆使して嵐を呼び、船を難破させては手に入れる財宝で自分の都を潤し、そして気に入った若者を次々と恋人にしては飽きると殺してしまうことの繰り返し。 しかしそんなある日、海のかなたから一艘の船がやってきます。 下り立った若者にダユーはたちまち心を奪われ恋の虜になってしまいます。
恋を叶えるため、若者に言われるがまま父から盗んだ水門の鍵を渡してしまうダユー。 たちまち都は波にのまれ、ダユーも教会も水底へ。
けれども、今でも海の底からはオルガンが聞こえ、ミサが続いていると・・・そして晴れた日には、イースの都は海上に姿を見せるといわれています。
【曲目・聞きどころ】
古代ヨーロッパ世界のケルト神話的雰囲気に満ちています。
ドビュッシー「沈める寺」、「西風の見たもの」、「金色の魚」 他
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【内容】
パリの思い出をエッセイと共に奏でます。
西山葵耀古のかつてのパリ留学時代を回想しつつ、そのころの風景と思いをエッセイで綴ります。
【曲目・聞きどころ】
サティ、ショパン、ラヴェル・・・パリの街角とセーヌ川を思わせる小粋な選曲がききどころです。
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